2020年4月6日
お待たせいたしました。試作品完成です。
山梨県郷土伝統工芸品「西島手漉和紙」で 1274(文永11)年5月17日 の入山を表現。
八角にこだわり角をいさぎよくそぎ落としました。
耐久性を追求し、原料は楮を選びました。厳選された楮の素材を西島手漉和紙伝統の溜め漉きで漉きました。「おおむらさき」で培った素材の生かし方、テクスチャーにこだわり、思い切り繊維の流れを主張してみました。
他の紙は日に当たると黄ばんできますが、楮は日に当たることで白さを増します。そして年数を重ねるごとに煤けていきます。この時間の変化も楽しみです。
小さく見えますが、60cmの高さがあり、台座の板は5cm重量は4kg、ちょっとやそっとの風ではびくともしません。
商店街に並べるということで、不意の雨や雪など、和紙が一番苦手の水に対する工夫も施してあるので万全です。
また、木の色にもこだわり墨衣の黒、これにも水に強い染料を使いました。
電灯もLEDを使いメンテナンスフリーとしました。あかりの色も柔らかい温かい色を選びました。
夜になると身延町の町の木、枝垂桜が浮かびだすしかけをつくり華やかさを演出します。「あかり」を点灯させると和紙ごしに浮き出る桜に心が躍ります。
ひとつの「あかり」の中にいくつも表情を変えます。刻々と変化する町の中にいにしえの、いさぎよい、りんとした伝統のうつくしさを表現しました。